歯肉の退縮は防げるのか?
歯肉の退縮は防げるのか?
皆さんの歯茎は下がっていませんか?歯肉の退縮が進行して歯と歯の間の隙間が大きくなっていないですか?20代くらいまでは「歯肉が不健康」だったり「歯肉が退縮してしまっている」という人は多くはないのですが、30代くらいになってくると、明らかに歯肉にトラブルを抱えている人は増えてきます。では、どうして歯肉は退縮してしまうのでしょうか?
その多くの原因は歯周病です。日本人の約80%の人罹患していると言われる歯周病は、歯垢の蓄積によって引き起こされ、悪化していきます。歯周病は歯根膜や歯槽骨を破壊する恐ろしい病気です。歯根膜や歯槽骨が破壊されるくらい歯周病が進行している人は、同時に歯茎も下がってしまっています。
その次に多いのは誤った歯磨きの方法です。必要以上に強いブラッシング(オーバーブラッシング)で歯茎を傷つけてしまうと、それだけでも歯肉は退縮してしまうのです。理想的な力の入れ具合は150gだと言われていますので、心掛けましょう。
他には加齢です。年を重ねるのが原因と言われてしまうとどうしようも無いのですが、歯磨きの時に適度な力で歯茎へのマッサージをしてあげると、歯肉退縮の進行を少し遅らせる事が出来ると言われています。
それでは、歯肉が退縮して歯根まで露出してしまった場合はどうしたらいいのでしょうか?
歯周病が原因で歯肉が退縮してしまった場合、たとえ歯周病が治ったとしても残念ながら歯肉は元に戻りません。しかし、歯根が露出した状態で生活していると見栄えも悪いですし知覚過敏にも苦しめられてしまいます。また、その部分はむし歯にもなりやすいのです。知覚過敏に関しては、歯と歯茎の間に薬を塗ったり、薄く詰め物をしたりしてしみるのを防ぐこともできますが、見た目の悪さを100%カバーすることは出来ません。
退縮してしまった歯肉を見た目も元のようにしたい場合には『根面被覆術』という治療法で回復させることが出来ます。
「根面被覆術」とは口腔内の他の部分の結合組織(例えば口蓋の一部)を切り取り、回復させたい部分に移植させるという方法です。この治療法はアメリカで開発されたもので、日本ではあまり普及していません。しかし、日本人はアメリカ人よりも歯肉が薄い人が多いので歯肉が下がりやすい傾向にあります。
歯茎下がりは治せる!とは言っても出来ることなら治療より予防するのが望ましいですね。そのためには日々の正しいブラッシングと定期健診を継続していきましょう。
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