抜けた歯はどうするの?
小さい頃、抜けた歯を屋根の上や床下に投げた覚えはありませんか?
日本には、昔から上の乳歯を床下へ、下の乳歯を屋根上へ投げる風習があります。続いて生えてくる永久歯をその方向へちゃんと導いてくれるように、というおまじないの意味が込められているそうです。
またその際、「ネズミの歯生えろ!」や「鬼の歯より強くなれ!」というような願いを掛けることが多いようです。ネズミの歯が後から後から伸び続けることにあやかっているのでしょうか。地方によって投げる場所やかける言葉は様々ですが、健康な強い歯が生えるように願う気持ちは共通しているようです。
世界的には、抜けた歯をどうするか?その方法が主に2種類あるそうです。
ひとつは日本のように屋根の上や床下などに歯を放り投げるというものです。
もうひとつは、歯を枕の下やコップにいれて眠り、翌朝には歯がお金やプレゼントに変わっているというものです。歯の妖精や魔法の国のネズミくんなど、国によって様々な使者が歯を持っていくと言われています。ただし、きれいな乳歯しか持って行かないというので、むし歯予防のための戒めになっています。
それ以外にも世界には面白い習慣がたくさんあります。
ロシア、アフガニスタン、バングラディッシュでは、ネズミの歯みたいに丈夫で白い歯をもらえるようにと、ネズミの巣穴に抜けた歯を落とすそうです。やはりネズミの歯にあやかっている国が多いのですね。
コスタリカやチリでは、抜けた歯に金メッキをしてイヤリングやペンダントにするそうです。乳歯は歯の根っこの部分が溶けてから抜けるので、人によって形が様々です。友達と交換するのも面白いかもしれませんね。
日本と同じように抜けた歯を投げる国でも、丈夫な歯になれとお願いする相手は様々で、ブラジルではことりやヨハネ様、ボツワナではお月様、グルジアではネズミ、モルドバではカラス、インドではスズメ、スリランカではリスと本当に種類が多いです。また、カメルーンでは「いい歯をもってこーい」と言いながら歯を屋根に投げ、それから家の周りをぴょんぴょん片足とびでまわるそうです。とっても楽しそうですよね。
乳歯がなかなか抜けずに永久歯が横から生えてきてしまったり、グラグラするのが気になって触っているうちに細菌感染して痛くなってしまったりしたら、自然に抜けるのを待つよりも歯医者さんで抜いたほうがいい場合もあります。そんなときもこのような楽しい風習があれば抜くのも怖くないかもしれませんね。私自身、小さい頃おばあちゃんの家でいつも抜けた歯を投げていました。歯を投げるのが楽しくて抜いていたような気もします。
また、最近では抜けた歯をとっておくかわいらしい入れ物などもあり、親御さんが大切に保管しておいて大人になったときに渡す方もいらっしゃるようです。乳歯はいずれ脱落してしまう歯ですが、永久歯に交換するまでの間大切な役割をしています。その機能を全うした乳歯に感謝したいものですね。
« 乳歯はむし歯になりやすい! | 2016年1月26日 »