終末期の口腔ケア
先日、顔のガンで療養中の私のおじいちゃんが入院することになりました。
延命治療はせず、痛みをとるだけの治療で緩和ケアをしていく、いわゆる終末期のターミナルケアを行っている状態です。自分では食事を摂ることもできなくなってしまい、口も閉じられずに呼吸をしています。
そんな中でも、日に何回か痰をすって口腔ケアを行うと少しですがお話してくれるようになるのです。看護師さんも、お口のケアが全身に及ぼす影響はとっても大きくて、口の中が綺麗だと話したりご飯を食べたり元気になってくれることが多いと日々接していて思うそうです。
おじいちゃんの場合、ご飯は食べていないけれど、口呼吸で口の中が乾燥しやすく、唾液が出ない分自浄作用が働かず、口腔内の粘膜や歯についた汚れや細菌を自分の力で綺麗にできないような状態です。そこで、スポンジブラシや保湿ジェルを使って、なるべく口腔内を傷つけずに保湿をするようにきれいに汚れを取ってあげています。口腔の粘膜は、乾燥していると傷つきやすく、 感染や口内炎のきっかけとなる恐れがありますので、歯以上にやさしくケアすることがポイントです。 無理せず、少しずつケアに慣れてもらうことが大切だと看護師さんがおっしゃっていました。
粘膜ケアをする時は、スポンジブラシという専用の器具を使うと、やさしくケアすることが出来ます。 介護施設では既に使用されている器具ですが、介護に不慣れなご家族でも比較的安全に口腔ケアを行えます。 ただし、スポンジブラシにも、いくつか注意しなければならない点があります。 そこで『スポンジブラシの使い方』についてお話したいと思います。
スポンジブラシ
スポンジブラシとは、先端がスポンジでできている棒状のブラシで、口腔内の粘膜を清拭するための器具です。 食物残渣や汚れを効率良くからめ取れるように、先端のスポンジは星型等様々な形状に工夫されています。中には棒状ではなく、指にそのままスポンジをはめて使用するタイプのものもあります。
スポンジブラシの基本について
まずは水又は洗口液に浸して、水分がたれ落ちない程度に絞ります。スポンジは奥から手前へと動かすのが原則です。 スポンジの水分が多かったり、汚れを奥へ押しやるような動かし方は、誤嚥性肺炎の原因となりますので、十分気を付けましょう。またスポンジの汚れをこまめに水洗いしながら行います。コップは水洗い用と湿らせ用を別々に 用意すると、より清潔に保てるのでお勧めです。スポンジブラシはウイルスや細菌による感染症予防のため、1回ごとに使い捨てて下さい。 また、スポンジブラシでは歯垢を除去できないので、歯がある部分は歯ブラシを使ってよく磨いてください。
お口の健康は全身の健康につながっているということを目の当たりにすると、大事にしないととより強く思いました。皆さんもお口の健康について早いうちから考えてみてください。
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