八重歯
犬歯で「歯と歯が重なっている状態で尖った歯」のことを「八重歯」とよく言いますよね。犬歯がドラキュラのように前に出ているのを差す事が多いですが、実は、他の歯と表裏に重なって生えたり、極端に外側に出てしまったりして、歯列に歯が並ばずに重なっている歯の事を言います。
しかし、何故こんな漢字になっているのでしょうか?別に八本も重なっているわけではないし、「八」でなくてもいいと思いませんか?
この八重歯、もともとは弥重歯という漢字だったようです。この「弥」という漢字は「大きく」「ますます」「いよいよ」等、あとの文字を強調する漢字として使われていました。
その弥重歯が何故か読みはそのままで八重歯に変わってしまったようです。簡単な字だから「八」になったという説もあります。尖っている形からして「矢」という漢字になっていた可能性もあるわけですね、日本語って不思議ですね。
では、八重歯はなぜ尖っているのでしょうか?一説には、八重歯は噛み合わせる歯がないので削れずに残ってしまったため長くとがったものになっていると言われています。また、八重歯に限らず、抜いた後の歯、例えば上の奥歯を抜いた場合、噛み合わせる歯にあたる下の奥歯は何もない状態だと次第に伸びてきてしまいますので抜いたまま終わるのではなく、入れ歯やブリッジなどで補綴をしていく必要があるんですね。
さて、ここまで八重歯についてお話してきましたが、この八重歯、重なっていることからしてやはり磨きにくいのが難なところです。磨き残しのリスクが高いので、矯正をして正しい位置に歯を戻すことも選択肢の一つですし、八重歯を抜いてしまってインプラントにしてしまうのも可能です。しかし、それには保険が適用されませんので多くのお金がかかります。八重歯をチャームポイントとして残しておくという方もいるでしょう。八重歯と上手く付き合っていくためにも、歯磨きの仕方を見直してみて下さい。ブラシを当てにくいので、鏡をしっかり見て丁寧にブラシを当てていくことが必要になります。重なった部分にも歯垢が残りやすいのでフロス(糸ようじ)を毎日最低1回はかけてみましょう。先の細いポイントブラシを使うとさらに磨きやすくなるでしょう。上手にブラシをかけることが出来ればむし歯になるリスクもぐんと下がります。時間をかけて丁寧に磨いてみて下さいね。